21日のことです
電話が鳴り、男からの電話です
音がしてる、とてもすごい音だ。
以前のクラッチカバー交換から始まったみたい??
音は言葉で言うと、きいやーーっーーーーーー、ぎぎぎーーーーーと言ってました。
言葉ではものすごい音と言う表現でした。
電話でこんな音してると聞いたんですが、あまりの音なのか?おそらくマイクのセンサーが感知の限界の音になってたのか?ジャミジャミした音にしか聞こえず全くわかりませんでした
持ってこれる?ジャフ出来る??
それか、そちらに行こうか?
持っていくとの返答
この時点で返答の内容に何か使わ無くてはならない理由があると感じました。
ここの時点で物語が始まるとは気づきませんでした。
この原因の68yt-2レイトバスが1時間くらいして到着。
この間にも何回か電話があり、音がやばいとか、音がうるさすぎて壊れそうで何とか走れないか?
とか、状況はかなり深刻なんだなとわかったので、そのまま自宅に帰り、そこまで行くよと言うと、またここでやはり行くよと返答がありました。
これは本当に次の日に使う予定があるなーと確定を感じましたので、もしもの為にこの音の原因に対処する部品を探し確認しておきました。
エンジンはあるし、ジェネレーターはあるし、プーリーはまあ使えるか、クラッチと交換からと言ってたが聞いてる範囲では違うと言ってたし、ボルトしめ忘れは確実に確認していたので自分を信じたら閉め忘れはありえない。
そしたらその男から電話が、
わかった、ベアリングーーーー。
どうしたらいい?音がやばい。
んーーーん、この時点でベルトを外し、走行は厳しいなー、放熱のリミットが近いからなかなか走れないなー。
じゃー、そのまま走れば――と言うと
音がやばいーーと返答がありました。
どうせそんな音するなら壊れてるし、中古があるから何とかなるなーと、2つの案を提示しました。
1、ベルトを外して2キロから3キロリミットで、信号などはエンジンを切り、なるべく回転をなくし発熱をなくす。
2、どうせ壊れてるからそのまま走る。
後の判断は自分でしてと言いました。
車をわからない人にはこんな言い方しませんが、この人は機械に詳しい人なので、そのまま走った時のリスクを想像して結果はこうなると提示して、どちらの方法で走るか判断を任せました。
電気つけて待ってたんですがなかなか来ませんでした。
ここからがまた事件。
取り外してみるとベアリングの玉の位置を決めてるプレスの鉄のリングプレートがありません。
音がすごい時点で想像してたんですが、ベアリングの玉の位置がホールドできないと中心点が狂いうまく回転しません、多分音はこれだろうなーー。
ベアリング交換にしても中古しかない、リスクだなー。
しかし、手はありません、中古を使い組み付け。
ローターはきれいで、センターがずれて回ったにしてはきれいでした。
ここで気になることを言ってましたが、ここに来る近所でチャージランプが点いたーと言ってました。
どうせセンターがずれたからブラシのずれだろうと判断しました。
そして組み終わり、エンジン始動。
ランプが消えない??
まさか?????
この時点で更なる朝日を見ることとなるストーリーが始まります。
中古があるからと思ってたら2個とも全滅でした。
この彼から提案で、仮に回してテストしてからと回路を組んでテストしたらと。
そしたら、使えていたものがこの彼に恨みでもあるのかのように発電しません。
回転数不足はありません、この時点で終了です。
しかし、もう一度壊れてたジェネレーターを(発電機)を元に戻して、レギュレター(電圧安定器)を2つテスト
これでも無理。
やはりこの彼は取りつかれてるのか??
中古ジェネレター2を再度(2回目)テストすると発電しました。
じゃーと、中古ジェネレーター1を2回目エンジン搭載テストすると発電無し。
よし、これで行こうと判断できたのがAM4時半でした。
そこから組み付け。
これに至る理由が、内容は詳しくは言いませんが、とても大事な人を乗せる理由で、それもこの彼の仕事で関係あるらしいようだったのです。
これを午前1時か、2時くらいかな??
代車があるから貸してあげるよと言っても、んんんんんー、これで行きたいと言うしー、次の日は仕事だというし、これは仕事で使うなと確信しました。
それなら何とかしてやろうじゃないーー、不可能を可能にとホームページに書いてる以上は。
中古2を使い、原因だったベアリングが中古2もならないかテスト。
少し音が出てるなー
しかし、もう一つはベアリングのダストシールは金属タイプで洗浄、グリス交換出来にくい、少しは入ったからまあいいか。
グリス全然入らないがしょうがない、テストで確認してもらったが本人もこの音ならしばらくは持つからオッケーでした。
これで組み付け終了。
また機嫌悪くなり、最初の時のように発電しないのでは?
とも思いましたが、発電しました。
12vから13vまでと少し電圧が低いようでしたがこの状態ではこれで行くしかない。
どうせ、動かしてたら部品に当たりがついてだんだん発電するようになるだろうと希望を持つことにしました。
しかし、ここで初めから気になってた部分があり、なぜ別の作業をしたかの説明はしなかったんですがバルブクリアランス調整したほうが良いよと忠告、どうする?
と聞くと彼はじゃー作業してと返答。
この時点で5時を回ってたはずでした。
出勤時刻も迫るのに、時間もないのに、これはなぜか??
こちらで判断したのは、確かに音がうるさい、バルブクリアランスのクリアランスが開いてる打撃音の中に1つの音に異音がありました。
理屈はクリアランスがありすぎると、釘をハンマーで叩くような衝撃に変わってしまい部品が変摩耗してしまうのです。
彼は、今回のことを教訓に思ったのか、クリアランス調整を本人に教える意味で説明しながら作業をしてると、ロッカーアーム固定用のピンがずれて外れてました。
これが外れると位置が保持できずクリアランスどころか、ストロークしにくくなります。
これを本人が発見。
この辺はさすがに機械に詳しい人なのでわかったのでしょうね。
作業してて見ていてもピンがずれてるのにきずきませんでした。
調整終了。
調整中に調整音を聞いて判断と教えたんですが、音の違いがあり、金属音とこもったような金属音がありました。
このこもったほうは、確認はエンジンのシリンダーヘッドばらさなくては確認できないんですが、バルブの当たり面にカーボンが付着しまくっていて、クッションのようになってるんでしょうね。
エキゾースト(排気側)だったのでほぼ確実でしょう。
当たり面が広がってるから、燃えカスを噛み砕けないのか?ガイドにクリアランスがあるせいで一定に当たらないせいか?どちらかでしょうね。
クリアランスが多いとバルブシートリングについたカーボンはたまりやすくなります。
理由は、ストローク減少の問題なのか?調整後にクリアランスがつまり(正常値に調整しても少ない値になる)、開きっぱなしになることが多いです。
カーボンをかみ砕くからでしょう。
もう一つは、シングルポートのバルブシートは有鉛リングなのか?摩耗することが多いです。
シングルポートの方は熱くなる前に、もしくはエンジンがかかりにくいのなったら調整してください。
さてここで、出勤時間が迫り、この時間もいないのになぜバルブクリアランスか?
重要人物を乗せると聞いてるので、乗りたいという時点でおそらく機械には詳しいだろう、そんな人がクリアランスの多いラッシュ音を聞いたらなんてエンジンのおとが雑な車だ、ぼろいなーと印象が植えつけられてしまう。
ただでさえ50年近いのに、やはり機会に詳しい人間が所有してる以上は雑さは出してはいけないはずと判断して調整に至りました。
どうせこのクリアランスは本人が調整したのにうるさいから、出来ないとの判断もしました。
このクリアランス調整は簡単ではありませんので、もし自分でやりたい方がいたら詳しい方から聞いてください。
スバルサンバーとか、軽自動車、90年代まで辺りの車両はクリアランスが開いてます。
原因は、経年劣化と、構成部品単体の金属表面の焼き入れ量の技術とも関係あるでしょうね。
と、外気温は3度とチョー寒い中での作業終了でした。
シャッターを開けるとうっすら明るい、さむ―――。
午前6時半?6時だったか喜んで帰ってもらいました。
しかし、無睡眠で長距離走れるんだろうか少々心配でした。
長時間の作業はスムーズにいかないとどうしても集中力が無くなります、しかしこのオーナーさんのどうしてもの気持ちに負けました。
うれしそうに帰っていったので、こちら徹夜作業のやりがいがありました。