メーター不作動の原因

メーターが動かなくなってしまい修理と、オーナーさんが中古メーターを購入してきてこちらの年式の方に交換してほしいと依頼です。

メータはばらさなくては使えないのでその中古は分解清掃する事にしました、オーナーさんからしたらなぜ?でしょう。

実際に見てもらえば分かるんですが、20年も経過するとグリスは硬化して固まってしまいます、これがまた取れないんです。
どうするかは、ラッカーシンナーとガソリンの混合液に漬け込み溶かしてその後はしつこくブラシッングです。

やはりグリスは酸化していて茶色に固まっています。

これを放置して使い続けるとメータがまわらまくなったり、変な動き方をするようになります。

たまに動いたり動かなくなったり、ぴょんぴょんはねるような動きをしたりします。

ほとんどがメーター内のトラブルです。

内部構造は、磁石の回転体があり、その外側にも鉄のリングの回転体があります、外側の方がメーターの針で内側の磁石の回転体はメーターワイヤー側です。

この2つには接する点はないけど磁石体が回転すると、外径側の鉄リングは磁気によって回転力が発生して針が動きます、これが機械式メーターの構造です。

両方には軸受けがあり、そこにはグリスがあります、グリスが硬くなると回りにくくなり、ワイヤーにねじれ抵抗を発生してしまい
限界が来ると回る、また止まりまた回るの繰り返しで変な動きになります。

ワイヤーの方でも取り回しが悪かったり、油切れでもなります。
以前に、この車のワイヤーにはオイルを差していて点検したのでワイヤーではないとの先入観がありました。
メータを取り付け、よし、ワイヤーテストをしたところワイヤーは回ってる、ん?おかしいな。。

手でワイヤーを引っ張っても切れた時の動きはしない、おかしい。。
でもワイヤーは回る、この時点でメーターの不作動の原因はワイヤーです、診断ミス、先入観があったため部品の用意はなし。

オーナーさんにはまたワイヤーだけを交換に来てもらいました。
メーターバラシ中には内部の回転体が入りにくくコンコンとたたいてはめていたら振動で指針が1センチほどが折れてしまい接着剤指針を付ける事になりました、プラスチックがカスカスになっていて折れやすい事を忘れてました、引っ着いたから良かったけど着かなければ弁償です、指針部分は経年劣化していて触るだけで折れる奴もあるので要注意です。

オーナーさんにはお手数かけてしまいすいませんでした。

メーターワイヤーを交換したら回るようになりました。

しかし、原因はワイヤーでもなぜ?があり切断して原因を探す事にしました。
切って抜いてもきれいでした、じゃあーなぜ??
もしやと思いタイヤ側のかしめ部分をプライヤーで回してみたらなぜか回転??この時点で原因発覚。

多分、生産時にワイヤーと四角部分の接合部のかしめが甘かったんでしょう、これが原因です。

対策はその部分をニッパーでかしめるか、ハンマーで少しつぶしてやれば治るでしょう。

格好はつけたくないので失敗も公表してみました。

こんなトラブルもあるのかと勉強になりました。