調整後のエンジンでオーナーさんのコメントは、3速が伸びるらしいです
この車両は水平対向エンジンなので左右2つキャブレターが付きます
そうなると左右のバランスでエンジン特性も変わります
左右が少しでもずれてるとバランスが悪くなり、左右パワーバランスがずれて振動が出ます
いつもはダイヤルゲージで測定しながらセットします
数値は、アイドル時スロットル開度1.2mmから1.0mm辺りです
アイドルスクリューは部品の年式と個体差があり、ゆるめ方向に45分くらいから1時間半くらいです。
この時期は35度超す辺りは、オーバーヒート気味になりガソリン量は春に比べて増やさなくてはなりません。
普通なら冬には気温が下がり、酸素濃度も増えるのでガソリン量も増やすのが普通で夏は減らすものですが、気温のせいで気化率が変わるせいか、多くしないと走りが悪くなります
現代の車はこれをコンピューターで制御してます、標高差や気温での変化など燃焼後の酸素を計測して噴射してますが、キャブレターは自動ではないので、気温などに対して調整していくしかありません
ですが、これではつまらないので出来る範囲の少しだけの改修をオーナーさんに言わずにしました
もちろんこちらで勝手にしてるので請求はしてません
インテークマニホールドがメーカー製造段階の荒さがあり、それを少し変えるだけで効果はあります
表面に製造段階でできる鋳物の砂型のザラザラと段があります、これをきれいにするだけでかなり効果があります
この部品はなぜかフランジ合わせ面上部に段差と、キャブレター直下の分岐点に荒さがありそこを重点的にしました
内径部には少し指示が残ってますがこれで十分です、分岐部分はシャープな感じに研磨します
エンジンに付く側のマニホールド内径にある段はすじは見えますが滑らかにしましたが、ここから先のエンジン部分とのずれを修正してないのであまり内径を大きくすると逆効果になるのでここまでが限界です
研磨目的は、エンジンの反応にシャープに吸気することです
結果、アイドリング時にあった振動も減り、エンジン回転も伸びるようになりました
エンジン内部のポートから、キャブレターの付くインテークマニホールドまでをきちんと修正研磨すると、効率が上がるのか?ガソリン量を決めるジェットのサイズが小さくなります。
この研磨作業をしないと大きい穴のジェットになります、やはり気化効率なんでしょうね
現代のバイクや車のエンジンでは研磨はしません(全エンジンではありません)、車種により鋳物の方に使う砂の細かさを細かくして完成時の表面を滑らかにしたり、砂型を樹脂コートして完成時の部品に樹脂を転写して熱で表面を滑らかにしたりもしてます。
この前聞いたのでは、鈴鹿8時間耐久のエンジンはホンダ、ヤマハはポートは研磨しないが、カワサキは研磨してるとか?
おそらく製造工程の問題でしょう
ポート角度などは現代の車ではほとんど変更することは無いと思います
ポート形状は、燃費に関係するので設計段階からかなり研究されてるので、あるとすれば駄作なエンジンくらいです。
写真の通り修正しました
加工には時間はそんなにかかりませんが1時間近くはかかります
少々の時間がかかるからと問題を見て見ぬふりをするのはメカとしては恥と考えてます
オーナーさんが楽しく乗れるような車を作る事が仕事と考えてます
効果を実感してもらえるといいのですが